胸が張る・胸のしこりが
気になる
胸の張りやしこりは、ホルモンバランスの一時的な変化によって生じるものと、乳房の病気によって生じるものに分けられます。
また病気といっても、線維腺腫や乳腺症といった良性のものと、乳がんなどの悪性のものとがあります。
いずれにせよ、「いつもと違う」と感じた時には医療機関を受診し、適切な検査を受けることが大切になります。上野会クリニックでは、マンモグラフィ検査、超音波(エコー)検査、組織・細胞を採取して行う病理検査に対応しております。お気軽にご相談ください。
胸が張る原因は?
生理のせい?
考えられる病気
胸の張る原因の多くは、月経や妊娠、出産などに伴う女性ホルモンのバランスの変化にあります。
しかし、中には病気を原因として胸が張るということもあります。胸の張りが続いているという時、他にも症状があるという時には、お早めに上野会クリニックにご相談ください。
生理などで生じる胸の張り
成長期
11歳頃から始まる第二次性徴では、女性ホルモンの分泌が増加し、胸が大きくなるとともに張り・痛みが生じやすくなります。
月経
特に月経前は、女性ホルモンの働きが活発になります。これにより、乳腺の発達が促されることから、胸の痛みや張りを感じることがあります。
妊娠
妊娠後、出産の直前まで黄体ホルモンの分泌が盛んになります。これにより、妊娠中は胸の張り・痛みが出やすくなります。特に妊娠前半は、症状の現れ方が顕著です。
自律神経の乱れ
不規則な生活、睡眠不足、ストレスなどによって自律神経が乱れると、ホルモンバランスも乱れます。
これにより、胸の張りや痛み、頭痛、火照り、イライラなどの症状が出やすくなります。
更年期障害
45~55歳くらいの更年期は、自律神経のバランスが乱れ、心身に様々な症状が現れることがあり、これを更年期障害と言います。その症状の1つとして、胸の張りが出現することがあります。
病気によって生じる
胸の張り
乳腺炎
乳腺、およびその近くで炎症が起こっている状態です。授乳中の女性によく起こります。
胸の張り、授乳時の痛みといった症状を伴います。
乳がん
胸の張りやしこり、乳房の皮膚のただれ・へこみなどの症状を伴います。
左右の乳房の形が違うことに気づいて受診に至るケースもあります。日々のセルフチェック、乳がん検診が大切です。
胸のしこりの原因は?
胸のしこりというと、乳がんを連想する人も多いかと思います。実際には乳がんなど命にかかわる病気ばかりではありませんが、自己判断せず、必ず医療機関を受診するようにしてください。
乳腺症
35歳前後の女性によく見られる良性疾患です。乳腺の組織が、女性ホルモンの影響などにより増殖と萎縮を繰り返し、硬くなることでしこりが生じます。
その他、胸の張り、痛み、乳頭分泌といった症状を伴います。加齢とともに症状は現れにくくなります。
乳腺炎
乳腺やその付近で炎症が起こっている状態です。大きく、うっ滞性乳腺炎と化膿性乳腺炎に分けられます。
うっ滞性乳腺炎の原因は、乳汁の分泌量が赤ちゃんの吸引量より多いことにあります。乳腺に乳汁が溜まることで炎症が起こります。
化膿性乳腺炎の原因は、赤ちゃんの歯などによって乳頭に傷がつき、そこから感染することで炎症が生じます。
胸の張りやしこり、授乳時の痛みなどの症状が見られます。
乳腺線維腺腫
思春期以降の若い世代の女性に好発する良性腫瘍です。片側の乳房に発生することもあれば、両側の乳房に発生することもあります。
乳がんと比べてしこりはやわらかく、弾力性があります。30代くらいまで、非常に緩やかなスピードで大きくなり、その後は加齢とともに縮小します。
胸のしこりが主な症状となります。痛みが出るのは稀なケースです。
葉状腫瘍/悪性葉状腫瘍
葉状腫瘍とは、痛みを伴わない腫瘍が複数発生する病気です。乳腺線維腺腫と似ていますが、しこりが急激に大きくなる点が明確に異なります。
良性・境界・悪性に分類されます。良性の場合でも再発することが多く、またその際には悪性へと転化する可能性があります。
乳房腫瘍全体の中で葉状腺腫が占める割合は、0.3〜0.9%程度と高くありません。
乳がん
乳腺小葉上皮や乳管上皮に発生することの多いがんです。
乳房のしこり、乳房の皮膚のただれや凹凸、乳頭分泌などの症状を伴います。
治療では手術が選択されることが多くなります。発見が遅れるほど、切除する範囲も広くなってしまいます。放置することで、他の臓器へと転移することも少なくありません。
乳がんは、女性に起こり得るがんの中で、もっとも頻度の高いがんです。日ごろからセルフチェックを行い、少しでも異常を感じた時には、すぐに受診するようにしましょう。
胸のしこりは良性?悪性?
しこりの性質は様々です。痛みの有無や皮膚の状態、触った時に動くか動かないかといった情報は診断に役立ちますが、それでも触診だけで良性・悪性を判断することはできないのです。
1つの傾向として言えるのは、年齢が低いと良性の割合が高く、40代を超えると悪性の割合が高くなるといったことがありますが、これも可能性の問題であり、結局はマンモグラフィ検査や超音波(エコー)検査、細胞・組織の検査を受けることが必要であり、また大切なことになります。
胸の張りやしこりが
心配な方は当院で
マンモグラフィ検査を
胸の張りやしこりに気づいた時、すぐに重大な病気と結びつけて過度に心配する必要はありません。実際に、その多くが良性疾患、あるいは一時的なホルモンバランスの変化によるものです。
しかし、乳がんなどの命にかかわる病気の症状として、胸の張りやしこりが挙げられるのもまた事実です。発見が遅れると、転移の可能性も高くなります。
日ごろからのセルフチェック、そして定期的な検査によって、これら疾患の早期発見・早期治療に努めましょう。少しでも「おかしいな」と感じた時には、お気軽に上野会クリニックにご相談ください。