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その他の検査

動脈硬化検査

日本人の三大死因は、がん・脳血管疾患・心疾患です。このうち、脳血管疾患と心疾患のいくつかは、血管がもろく硬くなる「動脈硬化」を原因とします。動脈硬化が進行すると、狭くなった血管が詰まったり、破れたりするリスクが高くなるのです。
具体的な疾患名としては、脳梗塞や脳出血、狭心症・心筋梗塞、閉塞性動脈硬化症など、時に命を危険にさらす疾患が挙げられます。
こういったリスクをはらむ動脈硬化の進行の程度を調べるのが、「動脈硬化検査」です。

血圧脈波検査
(血管年齢測定)

血圧脈波検査(血管年齢測定)血圧脈波検査とは、いわゆる「血管年齢測定」のことを指します。血圧、血管の詰まり具合、硬さなどをもとに、“血管の年齢”を算出します。
食生活の欧米化やストレス因子の蔓延により、近年では実年齢より血管年齢が高い人が増えてきています。
特に、動脈硬化の原因となる生活習慣病(糖尿病・高血圧症・脂質異常症)の診断を受けている人は、半年~1年ごとの定期的な血圧脈波検査をおすすめします。

血圧脈波検査で
何が分かる?

血圧脈波検査で何が分かる?

心血管リスク
(血圧モード)

左右の上腕にカフを巻き、血圧を測定します。
これにより、心血管のリスクが分かります。

血管の詰まり具合
(ABIモード)

横になった状態で、両手足にカフを巻き、血管の狭窄の程度を調べます。
血管の詰まり具合が分かります。

血管の老化具合・硬さ
(PWVモード)

血管の老化具合や硬さから、血管年齢が算出されます。

血圧脈波検査の方法

仰向けに寝ていただき、両上腕、両足に専用のカフを巻けば、あとは測定を開始するだけです。
測定時間は約5分で、痛みなどはありません。

血圧脈波検査の
正常値・異常値

血圧モード

腕収縮期血圧の左右の腕で10mmHg以上の差がある場合には、鎖骨下動脈の狭笮が疑われます。左右差が15mmHg以上になると、閉塞性動脈硬化症など抹消動脈疾患、脳血管疾患の合併の可能性が高くなります。

ABIモード

正常範囲は1.00~1.40、境界範囲は0.91~0.99となります。
0.91以下の場合には閉塞性動脈硬化症などの末梢動脈疾患、1.40以上の場合には血管の石灰化が疑われます。

PWVモード

動脈硬化が進行するほど、値は高くなります。
生活習慣の改善が必要になる中等度の動脈硬化の基準は、baPWVで1,800cm/sとなります。

血圧脈波検査の
禁忌・注意点

以下に該当する方は、血圧脈波検査を受けることができません。

  • 深部静脈血栓症の方
  • 動脈瘤のある方
  • 乳房手術などで腋窩リンパ節を切除した方

※透析シャントのある方は、非該当側を測定することで、ABI検査に限り受けられます。

頸動脈超音波(エコー)検査

頸動脈超音波(エコー)検査心臓から頭部へと血液を送る「頚動脈」に超音波を当て、動脈硬化や血管の詰まり具合、プラークの状態などを調べる検査です。

超音波(エコー)検査
について詳しくはこちら

頸動脈超音波(エコー)
検査で何が分かる?

動脈硬化の有無

3層になっている血管の壁の、内側の2層の厚さを計測します。
厚さが1mmを超えている場合には、動脈硬化が進行している可能性が高くなります。

血管の詰まり具合

血管の壁が厚くなったり、プラークがたまると、血管の内側は狭くなります。
血管の狭窄の程度を観察することで、どれくらい詰まりやすくなっているのかが分かります。

プラークの状態

コレステロールなどが蓄積して1mmを超えた隆起(プラーク)は、血管が詰まる原因になります。
プラークの大きさや形などを観察することで、脳梗塞などのリスク評価に役立てます。

頸動脈超音波(エコー)
検査の方法

  1. のどが見えるように、衣類のボタンなどを外していただきます。
    ※ボタン付きのシャツなど、のどを見せられる服装でお越しください。
  2. ベッドで仰向けになって寝ていただきます。
  3. 暗い状態で検査を行う必要があるため、照明を落とします。
  4. 首にゼリーを塗ります。
  5. プローブをあて、超音波を照射し、頚動脈を観察します。
  6. ゼリーを拭き取り、検査終了です。

頸動脈超音波(エコー)
検査の注意点

  • 予約制となりますので、事前にご予約ください。
  • 検査前、特に食事制限はございません。お薬も、普段通りお飲みください。
  • のどを露わにする必要があるため、ボタン付きのシャツなどでお越しください。

動脈硬化検査の費用

血圧脈波測定の費用

血圧脈波測定 ●●円

※価格は保険適用で3割負担の場合です。
※初診料・再診料が別途かかります。

頸動脈超音波(エコー)
検査の費用

頸動脈超音波
(エコー)検査
●●円

※価格は保険適用で3割負担の場合です。
※初診料・再診料が別途かかります。

健康診断や人間ドックと
組み合わせて動脈硬化検査
を受けたい方はこちら

動脈硬化検査は
このような方におすすめ

  • 糖尿病、高血圧症、脂質異常症、高尿酸血症の診断を受けた方
  • 肥満、メタボリックシンドロームの方
  • 脳梗塞の既往がある方
  • 脳梗塞、狭心症・心筋梗塞、腎不全、動脈瘤の家族歴がある方
  • 喫煙習慣のある方
  • 長く運動不足の方

睡眠時無呼吸症候群検査

睡眠時無呼吸症候群とは?

睡眠時無呼吸症候群とは?睡眠時無呼吸症候群とは、睡眠中に何度も呼吸が止まってしまう病気です。体内の酸素の量が不足することから、心臓・血管に負担がかかり、心筋梗塞や脳卒中のリスクが高くなります。
また、居眠りによる交通事故、社会的信用の喪失など、二次的な問題につながることもあります。
国内では、人口の約5%が睡眠時無呼吸症候群だと言われています。しかし、いびき、日中の眠気・頭痛・倦怠感など、主要な症状が身近であるために、受診に至っていないケースが少なくありません。

睡眠時評価装置
「ウォッチパット300」

睡眠時評価装置「ウォッチパット300」当院では、睡眠時無呼吸症候群の検査として、「ウォッチパット300」という新しい検査を導入しました。
本体は腕時計のように手首に取り付け、そこから延びるセンサーを首元や指先にセットして普段通り眠るだけで、いびきや指先の末梢動脈波を精調べることができます。
ウォッチパット300による検査で睡眠時無呼吸症候群の診断となれば、治療を行います。従来の検査よりも簡便で、入院の必要もありません。

ウォッチパット300で
何が分かる?

センサーで取得した情報は、手首に取り付けた本体に記録されます。
その後、専用のソフトウェアで解析すると、無呼吸低呼吸の指数、覚醒・睡眠の状態、いびきの有無、血中の酸素飽和度の状態、心拍数等のパラメーターなどがレポートとして作成されます。
無呼吸低呼吸の指数により、睡眠時無呼吸症候群の重症度を判定することができます。

重症度 無呼吸低呼吸指数
(AHI)
軽度 5~15回/時間
中程度 15~30回/時間
重度 30回以上/時間

睡眠時無呼吸症候群
検査の方法

  1. まずは当院を受診してください。検査機器のセットを直接お渡しします(郵送も可)。使い方については、丁寧にご説明いたします。初めての方でもご安心ください。
  2. 就寝前に、機器を装着します。本体は手首に、センサーは首元と指先に取り付けます。
  3. 普段通り、就寝してください(睡眠時間は4時間以上が推奨されています)。
  4. 検査機器をお返しいただき、専用のソフトウェアで解析します。検査結果は、1~2週間後にご説明いたします。

睡眠時無呼吸症候群
検査の注意点

  • 正確な測定のためには、4時間以上の睡眠が推奨されています。
  • 夜中にトイレに行く際などにも、センサーを外さないようにしてください。
  • 朝になれば、機器を外し、ケースに入れ、そのままお返しいただきます。操作をする必要はありません(自動で電源が切れるようになっています)。

睡眠時無呼吸症候群
検査の費用

ウォッチパット300 ●●円

※価格は保険適用で3割負担の場合です。
※初診料・再診料が別途かかります。

睡眠時無呼吸症候群の検査は
このような方におすすめ

  • いびきをかく方、指摘された方
  • 夜中、苦しさを感じて目が覚める方
  • たっぷり睡眠時間をとったはずなのに、日中に強い眠気を感じる方
  • 起床後に頭痛がする、身体が怠いという方

認知症検査

VSRAD
(早期アルツハイマー型
認知症診断支援システム)
とは?

VSRAD(早期アルツハイマー型認知症診断支援システム)とは?VSRAD(ブイエスラド)とは、MRI検査を活用し、アルツハイマー型認知症の早期発見に役立つ検査です。
早期アルツハイマー型認知症に認められる脳の海馬傍回、海馬、扁桃の萎縮の程度を、痛みなく簡単に調べることができます。MRI検査データとあわせて、アルツハイマー型認知症の可能性が数値で示されます。

※「診断支援」とある通り、VSRADのみでアルツハイマー型認知症の診断を行うことはできません。神経学的診察、認知機能のテスト、血液検査、脳波検査などが必要です。

VSRADで何が分かる?

VSRADで何が分かる?VSRADで分かるのは、脳の中心近くにある海馬傍回、海馬、扁桃の萎縮の程度です。アルツハイマー型認知症では、海馬傍回・海馬・扁桃の萎縮が起こることが分かっており、VSRADではその萎縮の程度が4段階の数値で表されます。
萎縮度が3の場合は、アルツハイマー型認知症の可能性が高いと考えられます。

萎縮度0~1…萎縮はほとんど見られません。
萎縮度1~2…やや萎縮が認められます。
萎縮度2~3…かなりの萎縮が認められます。

VSRADの方法

VSRADは、脳のMRI検査と一緒に行う検査であり、「VSRADだけを受ける」ということは基本的にできません。
症状から必要と判断されれば、検査を受けることができます。MRI検査を受けていただければ、その情報をもとに、VSRAD検査を実施します。MRI検査にかかる時間、解析にかかる時間をあわせて、20~30分程度を要します。

VSRADの禁忌・注意点

原則、50歳未満の方には
実施できない

VSRADは原則として50歳以上の方が対象となります。
50歳未満でも検査は可能ですが、結果が不規則になりやすいことが分かっています。

MRI検査が必須

VSRADは、MRI検査で得た情報を解析して行う検査です。
そのため、以下に該当するMRI検査を受けられない方は、VSRAD検査も受けられないということになります。

  • 体内に金属のある方
    (心臓ペースメーカー、心臓人工弁、脳動脈瘤金属クリップ、人工関節、人工内耳、磁石脱着式入れ歯など)
  • 妊娠している方、妊娠の可能性のある方
  • 入れ墨、アートメイクを入れている方
  • 閉所恐怖症の方

認知症検査の費用

VSRAD ●●円

※価格は保険適用で3割負担の場合です。
※初診料・再診料が別途かかります。

VSRADは50歳以上の
もの忘れが気になる方に
おすすめ

誰でも、もの忘れをすることはあります。人の名前が出てこない、物を失くしてしまう、約束をすっぽかしてしまったといったことは、若い方、健康な方にも起こり得るものです。
ただ、もの忘れも程度・頻度によっては、認知症のサインとして考える必要があります。「もの忘れの回数が多く心配になってきた」「約束をすっぽかしたことを指摘されても、約束自体を思い出せない」といった場合には、簡便ですぐに結果が出る、VSRADがおすすめです。
ご希望の方は、お気軽に上野会クリニックにご相談ください。